今回は、日本で法人用の銀行口座を開く方法について取り上げたいと思います。

海外の法人が日本での事業立ち上げに際して、日本の銀行口座を作ることで取引がスムーズに進められることは言うまでもありませんが、その口座開設が上手く進められないようなケースも多く見受けられます。

口座開設に必要なのは、会社の「履歴事項全部証明書」(通称:謄本)ですが、この謄本を正しく準備することが必要不可欠になります。

一番の問題は、謄本に書かれている代表取締役が外国籍を有する場合です。その方が在留資格を持ち、日本に住所があれば問題ないのですが、そうでなければ、この謄本では口座開設の手続きができません。謄本に書かれている代表者の住所は日本の住所でなければならないということに留意しなくてはなりません。

つまり、口座開設をする際に必要な書類は第一に、日本に住所がある代表取締役の名前が書かれた謄本が必要になるのです。

したがって、代表取締役の住所が日本でない場合は、「日本に住所のある誰かに代表取締役になってもらう」ということになります。

具体的には、その会社で、「日本に住所のある誰かを新たに代表取締役にする」という決議(書面決議で可)をして、管轄の法務局に、その議事録を提出し、代表取締役の変更の届出をします。この際、本来の代表取締役を残したいのであれば、日本に住所のある誰かを共同代表にするというのが現実的な対応になってくるでしょう。

代表取締役の住所が日本になければ、たとえ完璧に銀行の審査に備えたとしても、門前払いです。

このことを念頭に、会社設立の際は、日本に住所を有する代表取締役を用意するのが良いでしょう。